「岸田派解散」でメディアジャック 見過ごされた首相の問題発言

自民党の派閥が政治資金規正法違反で立件されようとしていたときに、岸田首相から突如飛び出した「派閥解散」の電撃表明。その発言の問題点を検証する。
楊井人文 2024.01.19
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昨日から岸田首相が「岸田派の解散」を表明した、というニュースが電撃的に駆け巡りました。一見、サプライズに見えますが、忘れてはならないことがあります。

岸田首相は昨年12月に自ら会長を務めていた派閥からの離脱を表明していたという事実です。そうなら、自分の所属していない派閥のことに言及できないはずです。

なのに、メディアはその矛盾を指摘することなく、岸田首相の「決断」を一大ニュースとして報じてしまいました。

1月19日朝刊各紙

1月19日朝刊各紙

岸田首相は、行政の長でありながら、独立公正でなければならない捜査に影響しかねない発言もしていました。ですが「派閥解散」に注目が集まることで、岸田首相の発言や「裏金」問題の本質が見えにくくなっています。

次の岸田首相の3つの発言を中心に、一連のニュースの問題点を指摘します。

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長年ファクトチェック活動の普及に取り組んできた弁護士の楊井が、いま話題の複雑な問題を「ファクト」に基づいて「法律」の観点を入れながら「現段階で言えること」を整理してお届けします。この記事は登録いただければ無料で全文読めます。ぜひご登録ください。

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続きは、3298文字あります。
  • 行政の長として不適切な「事務的ミス」発言
  • 「派閥を離脱する」と「派閥は解散する」の矛盾

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