宗教法人解散命令の"決め手" 見過ごされた法制度の"不備"

今月初め、東京高等裁判所が旧統一教会の宗教法人解散命令の決定を出した。判断の「決め手」は何だったのか。解散命令制度の「不備」ゆえに、司法判断に「無理」が生じた可能性がある。詳細な分析をもとに、基本から解説する。
弁護士ジャーナリスト 楊井人文 2026.03.17
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3月4日、東京高等裁判所(三木素子裁判長)が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の宗教法人解散命令を出しました。これに対して「当然だ」という受け止めと「不当な司法判断だ」 との反発が交錯しています。清算手続が始まりましたが、教団側は、最高裁判所への特別抗告を申し立てました。

宗教法人の「解散」というと、宗教団体自体がなくなってしまうようなイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。法律上は「宗教法人」と「宗教団体」が概念上区別されており、解散しても「宗教団体」は存続するというのが、司法と行政の一致した解釈なのです。

ところが、実は「解散命令」によって「宗教法人」と「宗教団体」の関係がどうなるのかという点について、法律には明確な規定がありません。そのため、一部に不正確な報道や誤解が広がっているようです。

今回の解散命令の「決め手」は何だったのか。そもそも「宗教法人の解散」とは何を意味するのか。司法判断に「無理」はなかったか。

宗教法人法、東京高等裁判所の決定全文、文部科学省の指針、清算人の告知文書などを読み解きながら、見過ごされた問題の本質に迫ります。

東京高裁の解散命令を報じる読売新聞2026年3月5日付朝刊(筆者撮影)

東京高裁の解散命令を報じる読売新聞2026年3月5日付朝刊(筆者撮影)

***

続きは、次のような内容になります。(筆者独自の図表は6点掲載)

▼解散命令の「決め手」は何だったか
▼法は「宗教団体」と「宗教法人」を区別している
▼法の不備、あいまいな文科省指針
▼高裁決定の矛盾(1)施設利用の制限は法的効果ではない?
▼高裁決定の矛盾(2)解散命令は違法勧誘防止のため?
▼「より制限的でない規制手段」の不備は残った

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