ワクチン接種後死亡の被害認定で補償なしの遺族も 提訴への思い聞く
「通知書を受け取った時、何の感情のかけらも起きませんでした。これでは息子に報告できないと思いました」
新型コロナワクチン接種でAさん(当時39歳、千葉県在住)を亡くした父、東正秋さん(埼玉県在住)が淡々と話しながら見せてくれたのは、健康被害救済制度に基づいて厚生労働省の審査により接種による健康被害と認定され、自治体から届いた「予防接種被害給付費支給決定通知書」です。
「21万2000円」。これが、この亡くなった男性のご遺族に国から支給される総額でした。
「予防接種被害給付費支給決定通知書」(2024年2月27日付)の一部(東正秋さん提供)
東さんは「決して金額の問題ではない」と言います。
そうではなく、「人の死の粗末な扱いに憤りを感じる」と言うのです。
東さんが息子さんの健康被害認定を受けるに至った経緯を踏まえ、提訴にいたった思いをお伝えします。
(この後の主な内容)
・残された「41.5度」の体温計
・自治体職員も知らなかった運用ルール
・申請が国に届くまで1年半
・「救われる命があるとしても…」
・提訴へ 遺族としての思い
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なお、筆者は取材執筆活動の独立性のため、弁護士業務として新型コロナやワクチンに関連する依頼は一切受けておらず、この裁判の弁護団にも加わっていません。
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- 残された「41.5度」の体温計
- 自治体職員も知らなかった運用ルール
- 申請が国に届くまで1年半
- 「救われる命があるとしても…」
- 提訴へ 遺族としての思い
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