テレビ朝日 玉川氏謝罪の“演出”とその“代償”

安倍元首相の国葬に関する事実に基づかない発言で、謹慎処分を受けたテレビ朝日・玉川氏。発言経緯の説明を省略してまで、謝罪を繰り返し、真摯な反省を演出したのはなぜか。
楊井人文 2022.10.23
読者限定

「ちょっと異様だった。まるで晒し者?」「立派な謝罪でした」「それなりに反省も伝わってきた」…

安倍元首相の国葬に関して事実に基づかない発言をした問題で、テレビ朝日のコメンテーター、玉川徹氏が、10月19日放送の「羽鳥慎一のモーニングショー」の冒頭で謝罪したことがニュースになり、さまざまな反応がありました。

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」10月19日放送冒頭の謝罪放送シーン

テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」10月19日放送冒頭の謝罪放送シーン

舌鋒鋭いコメントで知られていた玉川氏が、スタジオと異なる別室で、直立不動で謝罪と反省の言葉を述べ、深々と頭を下げる。

この姿を見れば、「これだけ真摯に謝ったのだから、この件はひと区切りではないか」と感じた人が多かったのではないかもしれません。

ただ、その中身は「説明なき謝罪」でした。「説明しない」かわりに、過剰とも思える「謝罪の演出」をしたと言っても過言ではないように思います。

なぜそのように言えるのか。以下の順でファクトを指摘しつつ、この問題の本質に迫ってみようと思います。

◯ 羽鳥キャスターらは経緯の説明が必要と指摘していた
◯ 3度目も「説明なき謝罪」だった
◯ 玉川氏は過去の失言では経緯の説明もしていた
◯ 謝罪「演出」の狙いは何だったのか
◯ 「説明なき謝罪」の代償 BPOは動き出すか

(なお、10月20日、郷原弁護士のYouTubeライブ配信にも電話出演してお話しました。ご関心のある方はこちらより)

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5614文字あります。
  • 羽鳥キャスターらは経緯の説明が必要と指摘していた
  • 3度目も「説明なき謝罪」だった
  • 玉川氏は過去の失言では経緯の説明もしていた
  • 謝罪「演出」の狙いは何だったのか
  • 「説明なき謝罪」の代償 BPOは動き出すか

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
旧来の風邪を「5類感染症」に格上げへ 武見厚労相が明言
サポートメンバー限定
YouTube「誤情報」を理由に動画を次々に削除か 違反者向けトレーニ...
読者限定
政府行動計画改定案 予定より前倒し? 大量パブコメへの対応は? 新藤大...
読者限定
政府行動計画改定案 「封じ込め」ありきの対策 何が問題か
読者限定
ワクチン接種後死亡の被害認定で補償なしの遺族も 提訴への思い聞く
サポートメンバー限定
ワクチン死亡被害の補償「生計が同じ遺族に限る」理由は? 厚労相答弁を徹...
読者限定
4月から健康被害救済制度もこれだけ変わる コロナワクチン無料接種終了で...
サポートメンバー限定
民主主義サミット声明が偽情報法規制に言及 背後に韓国大統領の怒り?