総選挙“情勢”報道が外れる可能性があるこれだけの理由 3年前もこんなに違っていた
10月27日投開票が行われる総選挙に向け、主要メディア各社が “情勢” 調査に基づく獲得議席の予測報道を始めています。
「自公、過半数維持の見通し」といったニュースが一斉に流れるのを見ると、「なんだ、もう結果は見えているのか」と白けてしまう人もいるかもしれません。
しかし、前回の総選挙では、各社が事前に報じた獲得議席予測はほとんど外れていたことを忘れるべきではありません。投開票当日の出口調査も大きく外れていたのです。今回の総選挙で報じられている「見通し」も、よく読むと不確定要素が多々あることが見て取れます。外れる可能性は十分あると考えておいた方がよさそうです。
まず、3年前の総選挙ではどのような食い違いがあったのかを振り返ります。その上で、今回の “序盤情勢” に関する各社報道とその問題点、投票行動への影響について解説します。
衆院選の情勢を報じた読売新聞と毎日新聞の2024年10月17日付朝刊1面(一部加工)
2021年総選挙“情勢”報道 これだけ外していた
前回の総選挙は2021年10月、菅義偉首相の退陣表明を受け、岸田文雄内閣が発足してまもなく行われました。
内閣支持率低迷から続投を断念し、新たな自民党総裁を選出して新政権が発足してまもなく解散・総選挙が行われた、しかも投開票まで20日未満の短期決戦ーーという経緯だけをみると、今回の石破政権発足直後の解散・総選挙と非常に似ている面があります。
このとき、メディア各社は "情勢調査" に基づき、自民党は大きく議席を減らす一方、立憲民主党、日本維新の会、日本共産党が議席を増やすとの見通しを伝えていました。
例えば、読売新聞は、公示から2日後の序盤に「自民減で単独過半数の攻防、立民は議席上積み・維新も躍進の公算大」という見出しで報じていました。
結果はどうだったか。
自民は小幅な減少にとどまり、立憲が各社の見通しに反して議席を減らしました。維新はどの社の見通しも超えて大きく伸びました。共産もかなり伸びると予想されていましたが、逆に減らしました。
以下の表でまとめたように、おおむね予測の範囲内だった朝日新聞を除いて、大きく外してしまっていたのです。
筆者作成
このあとは、次のような内容で解説します。
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今回の総選挙の"序盤情勢"報道も、細かく分析すると「自公で過半数獲得」との予測の不確実性が浮き彫りになった。
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鍵をにぎる小政党の議席予測にかなりバラツキがみられる。
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情勢報道が投票行動に与える悪影響について。
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