【独自】前橋地裁が時短命令違反の過料を却下決定 その司法判断の意義とは
昨年春のオミクロン株の流行で「まん延防止等重点措置」が発せられ、営業時間短縮(時短)要請に従わなかった飲食店に鹿児島県が発出した時短命令について、前橋地方裁判所が法律上の要件を満たさないと判断し、命令違反による過料に処さないとする決定を出していたことが判明しました。
これまでは、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」)に基づく時短命令を違法と判断する東京地裁の判決(昨年5月)が知られていましたが、時短命令を違法とした司法判断の2例目が明らかになったのは初めてとみられます。
この記事では、この司法判断がもつ意味について解説します。
(本編の主な内容)
▼前橋地裁決定の内容
(スライド)時系列の整理、時短命令を違法とした2つの裁判例など
▼全国で乱発されていた特措法に基づく時短命令
(独自のデータ)時短命令や過料通知の件数
▼司法判断の意義と課題
(3つのポイントに整理)
筆者撮影(水野泰孝弁護士提供)
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前橋地裁決定の内容
この前橋地裁決定の中身に触れる前に、前後の経緯を時系列で整理しておきましょう。
まず、次のスライドをご覧ください。
筆者作成