どうなる?マスク着用“ルール” 政府が決めた複雑な移行プロセスを整理する

政府は3月13日からマスク着用を「個人の判断に委ねる方針」を決めたとされるが、大変わかりにくい移行プロセスとなっている。「一般社会の原則」「業界ガイドライン」「学校」ごとに整理し、問題点も明らかにする。
楊井人文 2023.02.12
読者限定

コロナ禍で3年近く続いてきたマスク着用をめぐって、政府(岸田政権)が、3月13日から「個人の判断に委ねる方針」を決定した、と報じられました。ただ、従来から、マスク着用は法的義務や法的強制はなく、原則として個人の判断でなされるものでしたので、メディアの報道では本質が伝わらないでしょう。実際、岸田政権が決めた方針自体が、大変わかりにくいのです。

正しく理解するには、特措法に基づく「基本的対処方針」という文書を読み解かなければなりません。現時点で確認できる確かな情報をもとに、いつ、何が、どう変わっていくのか、整理するとともに、このルール緩和プロセスの問題点を考えてみます。

写真は新宿駅南口交差点で筆者撮影(2023年2月12日)

写真は新宿駅南口交差点で筆者撮影(2023年2月12日)

***

『楊井人文のニュースの読み方』は、今話題の複雑な問題を「ファクト」に基づいて「法律」の観点を入れながら整理して「現段階で言えること」を、長年ファクトチェック活動の普及に取り組んできた弁護士の楊井がお届けしております。

大手メディアが報じる内容やインフルエンサーの発言をうのみにせず、事実や法律に基づいた重要な論点を知っておきたい方に向けて、だいたい週1本以上のペースで執筆することを目指します。

今は無料の配信を行っておりますので、ぜひご登録ください(近いうちに有料化する方針ですが、改めてお知らせします)。

なお、閲覧者限定コンテンツの無断転載はお控えくださいますようお願いします。

***

マスク着用「ルール」と言われるものは、大きく分けると「一般社会の原則」「業界ガイドライン」「学校」ごとに異なりますので、それぞれ、従来がどうなっており、それがどう変わるのかを見ていきます(ひとめで分かる図も掲載)。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3058文字あります。
  • 一般社会の場合
  • 業界ガイドラインの場合
  • 学校の場合
  • ルール緩和プロセスの現実的な問題点

すでに登録された方はこちら

提携媒体・コラボ実績

読者限定
旧来の風邪を「5類感染症」に格上げへ 武見厚労相が明言
サポートメンバー限定
YouTube「誤情報」を理由に動画を次々に削除か 違反者向けトレーニ...
読者限定
政府行動計画改定案 予定より前倒し? 大量パブコメへの対応は? 新藤大...
読者限定
政府行動計画改定案 「封じ込め」ありきの対策 何が問題か
読者限定
ワクチン接種後死亡の被害認定で補償なしの遺族も 提訴への思い聞く
サポートメンバー限定
ワクチン死亡被害の補償「生計が同じ遺族に限る」理由は? 厚労相答弁を徹...
読者限定
4月から健康被害救済制度もこれだけ変わる コロナワクチン無料接種終了で...
サポートメンバー限定
民主主義サミット声明が偽情報法規制に言及 背後に韓国大統領の怒り?