台湾総統選まで3週間 最新情勢にみる政権交代の可能性
台湾の総統選挙(1月13日)まで残り3週間となりました。
構図は、与党・民進党の頼清徳候補(現・副総統)、最大野党・国民党の侯友宜候補、民衆党の柯文哲候補の三つ巴です。当初、民進党の頼氏が優勢とみられていますが、様々な情勢調査から国民党の侯氏との差が縮まりつつあるようです。
政権交代の可能性はあるのか。総統選挙の結果は、今後の日本、アジア情勢にどのような影響を与えるのか。現時点で言えることを、整理してみます。
(なお、中国と台湾の複雑な歴史・政治的な関係については、以前「中台関係の基礎知識」シリーズで解説したことがあります。ぜひご参考ください。)
左から、民衆党・柯文哲候補、民進党・頼清徳候補(現・副総統)、国民党・侯友宜候補(中央選挙委員会提供写真・フォーカス台湾より)
『楊井人文のニュースの読み方』は、今話題の複雑な問題を「ファクト」に基づいて「法律」の観点を入れながら整理して「現段階で言えること」を、長年ファクトチェック活動の普及に取り組んできた弁護士の楊井がお届けしております。
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民進党・国民党の支持率が接近 4年前とは異なる展開
まず、世論調査で最新の情勢をみてみます。
台湾では多くの世論調査(現地の言葉では「民調」)が行われており、実施機関によって結果の違いが小さくないため、一つだけ見るのはよくないと言われています。
そこで、各調査を網羅的に収録したグラフで大まかな傾向を確認してみます。
(この後の主な内容)
・台湾は四半世紀で政権交代を3回経験
・選挙結果はどのような影響を与えるか
・(筆者の視点)「政権交代になれば緊張緩和」は間違いないのか