NHK記事を見たら受信料発生? 正確に報じられていない放送法改正案の中身

ネット配信をNHKの必須業務とする放送法改正案が提出され、成立すれば受信契約の範囲が拡大される。受信料はアプリやID取得が条件となるかのような記事もみられるが、法案にそのようなことは書かれていない。
楊井人文 2024.03.19
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先日、ネット配信をNHKの必須業務とし、スマホ視聴者にも負担を求めることができる放送法改正案が国会に提出されました。従来、NHKの受信料の契約義務はテレビを持っている世帯に限られていましたが、テレビを持っていなくてもスマホを持っているだけで、あるいは、NHKのサイトにアクセスしただけで受信料が発生してしまうのではないかと、注目されつつあります。

そうした情報に対して、あくまでアプリやID取得が条件であると打ち消すようなファクトチェック記事なども出ています。

実際はどうなのか。改正案を読んでみると、こうした記事も正確とは言えないことがわかりました。総務省が公開している「法案概要」は非常に内容が薄く、これだけ見ていても法案の中身はわかりません。

放送法改正案をきちんと読んで解説した記事もなく、誤解が広まっていく可能性がありそうです。そこで、総務省やNHKに取材し、多くの人が気になっているであろう「受信料」制度を中心に、法改正のポイントと今後の注目点を解説しました。

NHKの稲葉会長(2024年3月14日、衆議院総務委員会)

NHKの稲葉会長(2024年3月14日、衆議院総務委員会)

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(この後の主な内容)
・報道されている内容
・「法案概要」だけではわからない改正案のポイント
・受信料をめぐるファクトチェック記事の問題点
・今後の注目点:NHKサイトにアクセスすれば受信料発生?

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  • 報道されている内容
  • 「法案概要」だけではわからない改正案のポイント
  • 受信料をめぐるファクトチェック記事の問題点
  • 今後の注目点:NHKサイトにアクセスすれば受信料発生?

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