9条改正賛否の世論調査もこれだけの違い 全社の結果から最大公約数を読み解く②

憲法記念日を前に各社が行った世論調査に全てチェックし、どこよりも詳しく分析するシリーズ。2回目は「9条改正」をめぐる調査結果に焦点を当てる。
楊井人文 2023.05.10
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前回、条文など中身を全く問わずに「憲法改正」それ自体の是非についての調査結果を分析しました。今回は、9条に関する調査結果について分析します。

国立公文書館デジタルアーカイブスより筆者撮影

国立公文書館デジタルアーカイブスより筆者撮影

9条改正賛否 各社の結果に違いが出た理由は

まず、憲法第9条の条文を確認しておきましょう。第1項が戦争放棄、第2項が戦力不保持・交戦権否認を定めたものです。

第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。

今年の憲法記念日前の世論調査で、9条改正について賛否を聞いていたのは5社あり、回答結果をグラフにすると次のようになりました(賛成の多い順に並べています)。

各社報道に基づき、筆者作成

各社報道に基づき、筆者作成

前回調べた「憲法改正」そのものの賛否と同様、かなりの違いが出ました。前回の記事を読んだ方は、質問文や選択肢の違いによるものだと想像していることと思います。

果たしてどうだったのか。以下の表にまとめました。

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『楊井人文のニュースの読み方』は、今話題の複雑な問題を「ファクト」に基づいて「法律」の観点を入れながら整理して「現段階で言えること」を、長年ファクトチェック活動の普及に取り組んできた弁護士の楊井がお届けしております。

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