「一つの意見に集約すべきでなかった」コロナ総括シンポで語られた重要な教訓
2月3日、大阪大学の主催で新型コロナ・パンデミックを振り返るシンポジウムが都内で開かれました。
昨年の「5類」移行まで政府のコロナ対策分科会メンバーを務めていた大竹文雄・同大特任教授(経済学)や、押谷仁・東北大学大学院教授(微生物学)らが登壇しました。
大阪大学のサイトより
1年前に私のインタビューで「5類移行は遅い」と指摘した内田克彦・全国保健所長会長、政府の広告塔として感染対策の呼びかけを担ってきた忽那賢志・大阪大学大学院教授(感染制御)も登壇するということで、どのような議論になるのか期待していましたが、残念ながら論点が多岐に分散し、時間も短かったため、ほとんど実質的なディスカッションがなされませんでした。
ところで、ちょうど今は「第10波」で感染者が急増している最中ですが(東京都のデータ)、忽那さんも押谷さんも、その他に来場した著名な感染症専門家も、どなたも終始マスクを着用されていませんでした。
あの「コロナ禍」とは何だったんだろう、5類移行でウイルスが消えるわけではなく従来の対策は必要と唱えていたのは何だったんだろう、という思いを拭えませんでしたが、それはともかく、ディスカッションで非常に重要な教訓が一つ示されたので、書き残しておきたいと思います。
それはディスカッション終盤でのやり取りでした。