YouTube「誤情報」を理由に動画を次々に削除か 違反者向けトレーニングの中身とは
世界中で子どもから大人まで幅広く利用されている動画投稿サイト「YouTube」(ユーチューブ)。誰でも気軽に投稿できる一方、毎分500時間の動画が投稿されているとされ、当然、問題のある動画が投稿されるリスクがあります。
なりすまし、詐欺的なコンテンツ、性・暴力描写、違法薬物などに関するコンテンツです。
YouTubeに限らず、不特定多数の利用者が投稿できるサービスを提供している事業者は、ルール違反の投稿を削除するなどして、安心して利用できる環境づくりを行っています。
このように不適切な投稿を監視、管理することを「コンテンツ・モデレーション」といいます。
どんな投稿であれ、野放しにしていいという人はあまりいないでしょう。コンテンツ・モデレーションは、SNSなど大規模な投稿サービスを提供するプラットフォーム事業者にとって不可欠な業務といえます。
従来、コンテンツ・モデレーションは「違法・有害情報」、すなわち、人格権など権利侵害を伴うものや法律に違反する内容を含んだ「違法情報」や、ただちに違法でなくても犯罪などを招く危険性の高い「有害情報」を対象にしていると考えられてきました。
その対象は徐々に広がり、最近は「偽・誤情報」も対象とする傾向も出ています。
筆者作成
YouTubeも「偽・誤情報」のコンテンツ・モデレーションを行う方針を明確に打ち出している事業者の一つです。
偽・誤情報対策に関心を寄せている政府も、そうした取組みに注視、または関与しつつあります。
YouTubeコミュニティガイドライン(2024年5月)に基づき筆者作成
そうした中、先日、ある薬害監視NGO(非政府組織)がYouTubeに誤情報削除の指針の見直しを求める要請書を送ったことについて、Yahoo!ニュースで取り上げました。
政府見解と矛盾する内容を「誤情報」とみなして取り締まる方針は、表現の自由を脅かすのではないかといった指摘でした。
ここでは、Yahoo!ニュースで報じた内容も踏まえつつ、新たに注目されつつある「偽・誤情報」に対するコンテンツ・モデレーションのあり方について、以下のような問いに答えていく形で解説してきます。(以下では、単に「誤情報」と表記します。)
(今回)
・YouTubeは何を基準に「誤情報」と判断しているのか?
・「誤情報」違反を理由に削除したコンテンツは、本当に「誤情報」なのか?
・「医学的誤情報」違反者に実施している「トレーニング」の中身とは?
(次回予定)
・政府が「誤情報」違反の削除に関心を寄せているというのは、どういうことか?
・企業が削除する自由はあるか?コンテンツモデレーションに詳しい専門家の見解は
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