民主主義サミット声明が偽情報法規制に言及 背後に韓国大統領の怒り?
先日、第3回「民主主義のためのサミット」が韓国政府主催でオンライン開催され、偽情報対策のための法制度整備の必要性を盛り込んだ議長声明が発表されました。
最近は「偽情報」に関するニュースがかなり増え、岸田首相も対策に強い意欲を示しています。しかし、これは、表現・言論の自由に関わる非常にデリケートな問題です。果たして、偽情報対策において、何らかの法規制、法整備は必要でしょうか。仮に行うとしても、どのような法整備が望ましいのでしょうか。
大変難しい問題ですが、まず確認しておきたいのは、偽情報対策の法規制は、政府や多数派による言論統制の手段として、都合よく利用されやすいという点です。また、「偽・誤情報」概念はいまだ曖昧で、次元の異なる色々な問題をひとくくりに議論されがちであるという側面にも注意が必要です。かなり丁寧に議論をしていかないと、表現・言論の自由の基盤が損なわれる恐れがあるということです。
もちろん何もしなくていいことではなく、何らかの対策が必要だと思う人も少なくないでしょう。私自身も、法整備を全面的に否定するものではなく、丁寧に問題の本質をみきわめ、副作用の少ない方法であれば法整備を行うことはあり得ることだと考えています。
そこで、近年の国内外の動向を踏まえ、押さえておきたい重要なポイントを何回かにわけて整理しつつ、この複雑な問題の考察を深めていきたいと思います。
第1回は、政府による言論統制のリスクについて、民主主義サミット声明、韓国の政治事情、国連や世界経済フォーラムの報告書などを踏まえて考えます。
民主主義のためのサミットで演説する韓国の尹(ユン)大統領と岸田首相(2024年3月20日、首相官邸より)
今回の記事では、次のような論点について解説します。
① 民主主義サミットの声明と韓国の政治事情はどう関係しているのか?
② 偽情報問題を議論する際おさえておくべきフェイクニュース規制法の"黒歴史"とは?
③ ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが「偽情報」を最大のリスクと発表。メディアが伝えなかったある重要な指摘とは?
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